環境に優しいエネルギーの需要が高まるにつれて、EV(電気自動車)の普及拡大が課題となっています。本記事ではEV急速充電器の補助金について解説します。これから充電器の購入・設置を検討している地方公共団体や法人の担当者の方、共同住宅のオーナーさまなどに向けて、役立つ情報をまとめました。補助金の申請手続きや給付金額について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
EV急速充電器の導入時に使える補助金とは?
充電インフラ補助金について
充電インフラ補助金の正式名称は「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」といいます。EV急速充電器を設置する際などに利用できる補助金で、国の代理機関として、一般社団法人次世代自動車振興センター(NEV)が給付事業を担当しています。
充電インフラ補助金は政府による唯一の補助金で、主に法人やマンション管理などの団体向けのものです。集合住宅の駐車場や、大型施設向けの充電器を設置する際に利用されています。
補助金が前年の175億円から360億円に倍増
充電インフラ補助金の令和5年度予算は175億円でしたが、令和6年度は360億円と、約2倍に増加する方針となりました。令和6年度は、令和5年追加募集分および第1期・2期の3回に分けて受付を行う予定です。 以前は要件に合致している場合に交付される仕組みでしたが、出力性能の高い充電器への補助を推進するため、募集回数を分ける方法に変更されました。
補助金の適用条件や施設
EV急速充電器の補助金を申請するには、適用条件や対象施設に該当するかどうかを確認する必要があります。必ず補助金制度を利用できるとは限らないため、事前に詳細を把握しておきましょう。
補助金の対象者
急速充電器を含むEV充電器の補助金対象となるのは、一般社団法人次世代自動車振興センターが補助対象に指定したEV充電設備を購入予定、かつ、EV充電設備を設置する土地の使用権限がある方のうち、以下に該当する方です。
地方公共団体
法人(マンション管理組合法人を含む)
法人格を持たないマンション管理組合
共同住宅のオーナーや居住者などの個人
なお、個人宅でEV充電器を使用する場合は補助金の支給対象外となります。複数人での使用を前提とするケースに限られますのでご注意ください。
EV急速充電器の対象施設
EV急速充電器とは高い電圧で電流を流し、およそ30分で約80%まで充電ができる設備のことです。例えば高速道路のサービスエリア・街中のガソリンスタンドなど、短時間で効率よく充電することが求められる場所に取り付けられるのが一般的です。
対象施設には、ガソリンスタンドが少ない空白地域や道の駅なども含まれており、2022年3月時点で全国に8,265カ所の充電スポットがあります。
経済産業省の「充電インフラ整備促進に向けた指針」(案)では、急速充電器の平均的な出力が約40kWと低いことが課題視されています。これを受けて令和5年度は、急速充電器の補助金対象となるのが、出力規格が原則50kW以上のEV充電器を設置する場合に限定されていました。
充電インフラ補助金の給付金額
充電インフラ補助金の給付額は、充電設備の種類によって違いがあります。ここでは急速充電設備と普通充電設備の補助金について説明しますので、補助金の申請を検討している方は参考にしてください。
急速充電設備の上限は最大780万円急速充電器の購入費用については、最大50%が補助対象となります。また工事費用については、工事プランや事業区分によって異なるものの、既定の範囲内であれば全額が補助の対象です。蓄電池なし、高圧受変電設備なしの場合、補助金の上限は以下の通りです。
補助金額 | |
機器費用 | 最大で500万円 |
工事費用 | 最大で280万円 |
合計 | 780万円 |
※50kW以上に限る
急速充電器は購入費用が高額になるため、補助金の上限が大きくなっています。上記の表では大まかな金額を記載していますが、実際にはより細かい区分に分かれているため、詳細な計算をするには事業区分に応じた確認が必要です。詳しく知りたい方はカナデンヘルプデスクへお問い合わせください。
普通充電設備の上限は最大170万円
普通充電設備の補助の割合は急速充電器と同じです。購入費用は最大50%、工事費用は100%に設定されています。
補助金額 | |
機器費用 | 最大で35万円 |
工事費用 | 最大で135万円 ※高圧受変電設備設置がない場合 |
合計 | 170万円 |
普通充電器に関してもさらに詳細な区分が存在し、kWの数値によって補助金額が設定されています。どの充電設備を購入するかによって金額が異なるため、詳しく知りたい方はカナデンヘルプデスクへお問い合わせください。
自治体の補助金と併用するのがおすすめ
EV急速充電器を購入・設置するなら、政府だけでなく自治体の補助金を併用するとよいでしょう。全ての自治体で補助金を使えるわけではないものの、大都市圏の一部では併用できる場合があります。
東京都
東京都のEV補助金制度は以下の通りです。
補助名称 | 充電設備普及促進事業 |
申請受付期限 | ~2024年3月29日(金) 17時まで |
助成対象設備・要件 | 【充電設備の要件】【受変電設備の要件】 |
上限額 | 最大1,600万円。充電設備の種類による |
HP | https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/biz-evcharge https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/all-evcharge |
※2024年2月時点の情報です
埼玉県(川口市)
次に川口市の補助金制度を紹介します。
補助名称 | 令和5年度 川口市地球温暖化対策活動支援金総合案内 |
申請受付期限 | 2023年5月8日(月)~2024年3月15日(金) ※必着 |
助成対象設備・要件 | 申請者自身が使用する充電設備であること新品であること |
上限額 | 10万円 |
HP | https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01100/010/2/1/34382.html |
※2024年 2月時点の情報です
※補助金の受付は2024年3月4日をもって終了しています
神奈川県
神奈川県のEV補助金制度は以下の通りです。
補助名称 | 令和5年度神奈川県EV急速充電設備整備費補助金 |
申請受付期限 | 2023年4月27日(木)~2023年12月28日(木) |
助成対象設備・要件 | 新規(追加)または入れ替えのために整備するEV急速充電器路線バス事業、乗合タクシー事業、ハイヤー・タクシー事業を営む事業者が充電器の整備を行う場合を除く |
上限額 | 50万~100万円(整備区分やkW数による) |
HP | https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ap4/cnt/f4259/quick-charge.html |
※2024年2月時点の情報です
※現在は受付を終了していますが新たに募集する予定です
愛知県
愛知県のEV補助金制度は以下の通りです。
補助名称 | ゼロカーボン・ドライブ推進費補助金 |
申請受付期限 | 2023年7月20日(木)~2024年1月31日(水) ※先着順、締切日必着 |
助成対象設備・要件 | 外部給電機能がある電気自動車※メーカー希望小売価格が1,000万円(税抜)を超えないもの充電用のコンセント、コンセントスタンド太陽光発電設備(最大出力が10kW未満のもの) |
上限額 | 対象設備により異なる |
HP | https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ondanka/zerocarbon-hojokin2023.html |
※2024年2月時点の情報です
※補助金の受付は2024年1月31日をもって終了しました
大阪府
大阪府のEV補助金制度は以下の通りです。
補助名称 | 電気自動車用充電設備導入支援補助金 |
申請受付期限 | 2023年5月12日(金)~2023年12月25日(月) ※必着 |
助成対象設備・要件 | 国の補助制度の「補助対象充電設備型式一覧表」に掲載されているもの(一基当たりの定格出力90キロワット以上の急速充電設備の購入費は対象外) |
上限額 | 国の補助額の50% ※国の補助額の算定式=「設備の購入費(税抜)の1/2以内」 または「設備の型式ごとに定められた交付上限額」のいずれか低い方 |
HP | https://www.pref.osaka.lg.jp/eneseisaku/juuden/index.html https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/43233/00000000/R5goannai.pdf |
令和6年度の充電インフラ補助金の公募申請期間

令和6年度の充電インフラ設備の公募申請期間は以下の通りです。
【令和6年度のスケジュール(予定)】
種類 | 受付期間 | 交付決定期間 | 実績報告締切 | |
令和5年追加分 | 急速 | 3月 | 5月~6月 | 令和6年11月末 |
普通 | 3月 | 5月~6月 | 令和6年10月末 | |
令和6年第1期 | 急速 | 5月~6月 | 7月中旬~8月 | 令和6年12月末 |
普通 | 5月~6月 | 7月中旬~8月 | 令和6年11月末 | |
令和6年第2期 | 急速 | 8月 | 11月 | 令和7年1月末 |
普通 | 8月~9月中旬 | 11月~12月中旬 | 令和7年1月末 |
一部については先述しましたが、今年度の変更点をまとめると以下の通りです。
3回に分けて募集を受け付ける
先着順から審査制へ移行する
なお令和6年第2期は交付決定〜実績の報告期限が短くなる予定のため、早めに充電器の設置工事を実施してください。申請の締切期限が切り上げられる状況も想定されるので、余裕を持って申し込みましょう。